■プロフィール

むつきさっち

Author:むつきさっち
野良学者やってます。
読んだ本とか研究用のメモを置いていきます。
きまぐれなので分野はあっちこっちにいく予定。
とりあえず哲学とか生物学あたりから書いていきます。

20/7/2:カテゴリでの表示順を古い順に変更しました。それに伴いカテゴリの最初のページ下に、各メモ先頭のリンクを貼りました。

■最新記事
■最新コメント

■月別アーカイブ
■カテゴリ
■フリーエリア

■検索フォーム

■RSSリンクの表示
■リンク
■ブロとも申請フォーム
■QRコード

QR

佐々木正人「アフォーダンス入門」第四章メモ3
前回のメモで仮想的な平衡器官である「平衡胞」の話と、足元の接触情報と平衡胞の協働で身体全体の傾きを知る、という内容でした。
それに続けてベルンシュタインの運動モデルが登場します。

人間の骨はほぼ100個あるらしく、骨は筋とリンクしているので、すべての骨と筋は全体で一つのシステムとして動くことになります。
環境と身体の接触情報を受け取る受容器は全身に多数あり、高等動物ではさらに眼や耳のように光や大気の振動から定位のための情報を得る器官も発達しています。
これら種々の器官が関係する、複雑なネットワークの振る舞いの変化から情報を読み取り、環境への身体の定位が行われています。

ここでベルンシュタインによる「制御の原理」を紹介する図が載っています(115ページ、図4-2)。
書くのが大変なので図は省略します。
先に古典的な運動制御のモデルを説明しておきます。
脳にある制御中枢が三次元空間における静止した身体配置を記憶していて、この配置の変更を筋や骨格に指令し、内部に蓄えられた運動プログラムが身体部位の新たな配置転換を行い身体の動きが実行される、というものです。
これは当時普及しはじめた映画の技術を、そのまま運動生成の原理として採用したためらしいです。

動物による身体制御は、筋と骨の性質から考える必要があります。
機械では固い構造体を押すことで、あらかじめ位置と力の関係等を決めておいて、その通りに実行することで定位や位置移動が可能です。
しかし筋は収縮するときに力を発揮するので、引くことはできても押すことはできません。
結局のところ、機械と同じやり方では機械のように決められた通りに制御することができないです。

さらに、このような身体の制御の原型から、生きものの動きの制御が、絶え間なく動き続けることで達成されていることもわかります。
姿勢を静止させて維持するということも、多数の筋の細かい活動により成立しています。
ここまで示したような「多くの要素が完全にリンクした、全身のネットワークのやっている止むことのない調整のことを、ベルンシュタインは「協調(コーディネーション)」とよん」でいます。

ここまでがだいたいの要約で、もうちょっと加えておきます。
工学分野ではいわゆる「制御工学」がここの内容と直接関係します。
佐々木が上で述べていることはその通りだと思うのだけど、実際に実装されているロボット制御システムはいまだ古典モデルのままのはずです。
具体的なロボット制御の研究とかやったことはないのですが、ロボット工学の本の内容とか、卒論と修論の制御系研究室の発表を思い出す限り、古典モデルで間違いないでしょう。
CPG制御モデルとか深層強化学習モデルとかもあるみたいだけど、全体の枠組みは運動制御の古典モデルのままじゃないかと思います。
深層強化学習とかの本もそのうち読むつもりなので、また何かわかったらメモを残す予定です。
<<第四章-2   第四章-4>>


にほんブログ村 哲学・思想ブログへ
にほんブログ村
スポンサーサイト





心理学 | 16:30:00 | コメント(0)
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する