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むつきさっち

Author:むつきさっち
野良学者やってます。
読んだ本とか研究用のメモを置いていきます。
きまぐれなので分野はあっちこっちにいく予定。
とりあえず哲学とか生物学あたりから書いていきます。

20/7/2:カテゴリでの表示順を古い順に変更しました。それに伴いカテゴリの最初のページ下に、各メモ先頭のリンクを貼りました。

21/5/30:ホームページを開設しました。ここにまとめた学術的な記事を元に、初学者用の入門記事を書いていく予定です。まずはオートポイエーシスと哲学からです。
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多賀厳太郎『脳と身体の動的デザイン 運動・知覚の非線形力学と発達』メモ1

脳と身体の動的デザイン 運動・知覚の非線形力学と発達 (身体とシステム) [ 多賀厳太郎 ]

価格:2,420円
(2021/10/22 13:08時点)
感想(0件)

蔵本由紀の『非線形科学』を読み終わったので、次の非線形科学の本に行きます。
今度は応用の本、多賀厳太郎の『脳と身体の動的デザイン 運動・知覚の非線形力学と発達』にします。
非線形科学もどっちかというとこういう応用の本が読みたくて、応用の本を読むために数学的な本を先に読んでみたという事情があります。

それでこの本ですが、けっこう制御工学っぽい内容です。
セントラルパターンジェネレータ(CPG)による歩行パターンの生成とか、動物行動学で主題になっている話題も入ってます。
なので個人的には動物行動学の視点から、動物行動の生成に神経系がどう関与するかを考えるためにこの本を使いたい、というのがあります。
ずいぶん前に制御工学も修士でやってたりするんですが、もはやよく思い出せないので、ちょっとずつ読んでいくことにします。

ちなみにこの本、佐々木正人が監修だったりします。
「身体とシステム」というシリーズの一つみたいです。
本のタイトルを見る限り、この本がこのシリーズの中で一番「身体とシステム」というシリーズ名を体現してます。
『本能行動とゲシュタルト知覚』を読み直してるところだし、できたらそっちとこの本の内容を照らし合わせながら読んでいきたいです。

今回のメモは目次書いて終わりにします。
Ⅰ章 運動と自己組織
 1 生きている状態としての運動
 2 自己組織化としての運動
 3 制御として見た運動
 4 運動の生理学
Ⅱ章 歩行における脳と環境の強結合
 1 グローバルエントレインメント(global entrainment)
 2 ヒトの歩行の再現
 3 合目的性と自己組織性
Ⅲ章 身体の自由度問題と脳のバインディング問題
 1 運動における自由度の凍結(freezing)と解放(freeing)
 2 脳における同期と非同期
Ⅳ章 初期発達過程におけるU字型現象
 1 運動の分化と統合
 2 乳児の視覚世界
 3 運動感覚統合のU字型現象
Ⅴ章 脳と身体のデザイン原理
あとがき
参考文献

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非線形科学 | 13:13:00 | コメント(0)
二元一次方程式と一次関数:中学数学を教える12
まず2x+y=1…(1)という式を見てください。
これは等号を使った等式で、方程式または関数として見ることができます。
左辺の2xを右辺に移項するとy=-2x+1…(1)'という形になって、一次関数の形になります。
方程式はその式を満たす値を見つけることが目的で、関数は変数間の関係を示すことが主な目的として使われます。
この式を満たすxとyは一義に決まらないので、ここでは関数として見てみましょう。

y=2x+1は傾き2、切片+1の一次関数です。
この一次関数をグラフで示す、つまりxy座標系にこの式の関係を満たす点(座標)を打っていくと、図1のような直線になります。

方程式と一次関数の関係

逆に言うと、この直線上の点の座標は、この直線の式y=2x+1の等式を満たしています。
試しに直線上の点A(x,y)=(1,3)の値を式に代入してみると
3=2×1+2
3=3で右辺も左辺も同じ3になって(1)の等式を満たしています。
直線上の点なら整数じゃなくてもよくて、点B(-5/4,-3/2)を式に代入すると
-3/2=2×(-5/4)+1
    =-5/2+1
    =-3/2
で左辺と右辺ともに-3/2となり等式になっています。
今度は直線上にない点C(1,-1)を代入してみます。
-1=2×1+1
  =3
となって左辺は-1で右辺が3となり、-1=3という矛盾した式になってしまいました。
こんなふうに、一次関数の式を満たすx, yの組を座標に書き込むと直線になって、逆にその直線上の点の座標だけが元の等式を満たしていると考えることができます。
ここで最初に戻って、(1)'式(一次関数)と(1)式(二元一次方程式)を同じ式とみなすと、(1)式の方程式の解はこの等式を満たすxとyの組なので、その解は「直線y=2x+1上の点の座標すべて」になります。

以上の内容が「直線と直線の交点の座標を連立方程式の解として求めること」につながっていきます。
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中学数学 | 16:57:00 | コメント(0)
意味の地帯:木田元『現代の哲学』4章-7節メモ
7 状況と自由-意味の発生と意味付与

Ⅳ章の最後です、以下だいたいの要約です。

我々は身体を介して世界とつながっているので、自由を考えるときにもそういった状況を踏まえておく必要があります。
自由という言葉が意味を持つのは、「一定の与えられた状況のなかで生きるしかないが、しかし状況によって全面的に決定されているわけではない」からです。

たとえば階級意識の問題を採り上げると、歴史の意味はあらかじめ決定されていると考える決定論の立場と、われわれの自由な企投によってはじめて歴史に意味を与えられるものだと考える観念論的立場の両極を考えることができます。
前者の立場としてブハーリン、後者の立場としてサルトルを挙げることができます。
メルロ=ポンティはサルトルの極端な主観主義を批判しています。
「むしろ問題となるのは、まずわたしが労働者として生きているかブルジョアとして生きているか、という世界や社会と交わる一定の生活様式なのであり、これがわたしの革命的企投なり保守的生活態度なりを動機づけもすれば、同時に<わたしは労働者なのだ>とか<わたしはブルジョアなのだ>という表明的な判断をも動機づけるのであって、この一方を他方から導き出すわけにはいかないのである。」
「ブルジョアであるとか労働者であるということは、単にその意識をもつということにつきるものではなく、世界を形態化し他者と共存する特有な仕方とからみ合っている暗黙の実存的企投によって、自分をブルジョアとして、あるいは労働者として価値づけるということなのである。」

われわれのまわりにはわれわれを様々に性格づける様々な意味の地帯があり、「個人的決意とはこの自然発生的な一般的意味を意識的に捉えなおし、そこに入りこむことによってそれを徐々に強めるか弱めるかすることにほかならないのである。」
「この地帯こそ、主体の客体への疎外の基礎をなすものであれば、その運動を逆転することによって、世界の人間への再統合の基礎ともなりうる<歴史>とよばれる領域にほかならない。そのかぎり、たしかに歴史もわれわれに意味を提示するが、われわれもまた歴史に意味を与えることができるわけであり、<開かれた状況>としての歴史とわれわれの<かぎられた自由>とのあいだに弁証法的関係を認めることができるわけである。」

以上だいたいの要約ですが、ほとんど引用になってしまいました。
まわりにあって我々を性格づける意味の地帯がある、とかの表現は佐々木正人を連想します。
経由した人は違うけど、最終的に似た結論にたどり着いているのかもしれません。

次章が最終章になります。
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哲学 | 19:47:19 | コメント(0)
一次関数:中学数学を教える11
中学で出てくる四つの関数のうち、二年で出てくるのが一次関数です。
一次関数はy=ax+bの形をしていて、比例y=axの式に+bされた形になっています。
形が似ているだけあって性質もよく似ていて、例えばy=2x…(1)(比例)とy=2x-3…(2)(一次関数)のグラフを書くと、図1のように平行な二本の直線が引けます。

y=2x-3のグラフ

変数xの値と二つの関数のyの値の関係をいくつか取り出してみると、表1のようになります。

表1 y=2xとy=2x-3を満たすxとyの値
 x   -3   -2   -1   0   1   2   3 
y(y=2x) -6 -4 -2 0 2 4 6
 y(y=2x-3)  -9 -7 -5 -3  -1  1 3
二つの式の違いは-3の部分で、xがどの値の時も(2)式のyの値は(1)式のyの値より3少ないです。
これが図1のように(2)式が(1)式と平行かつ下に3だけ下がった位置にある理由です。

以上のことから一次関数において重要なものは、変数xの係数aと、比例のグラフを平行移動させる+bの項の二つであることがわかります。
比例のときと同じように、xの係数を「傾き」または「変化の割合」と呼びます。
そして+bを切片もしくはy切片と呼びます。
傾きはxが1増えるごとにyがいくつ増えるかの割合を示しています。
傾きが2ならxが1増えるごとにyが2増える、傾き-3ならxが1増えるごとにyが-3増える(3減る)ことを意味しています。
次に切片は、比例の式をどれだけy方向に平行移動させるかの値で、グラフにはx=0のときのyの値として現れてきます。
上の例ではb=-3なので、y軸上の-3の点として現れてます。
一次関数のグラフは、切片(y軸上にある通過点)を打ち、そこから傾きより求められる近くの通過点(A点やB点)を打ち、その2点を通る直線として書くことができます。

一次関数で表現できる事例をみてみましょう。
ひねると1分間に2Lの水が出てくる蛇口があるとします。
50Lが入る水槽に最初10Lの水が溜まっているとすると、ホースを蛇口につないで水をいれていくと、x分後の水槽の水の量yはy=2x+10(0≤x≤20)…(3)の式で表現できます。
20分後に水槽の水は50Lになるので、満タンになったら水を止めるとして、グラフで書くと図2のような線分になります。

一次関数:水をためる例

上のように式で表現することができれば、例えば水槽の8割(40L)に水を満たしたいときに、(3)式のyに40を代入してそのときのxの値x=15を求めることで、15分後に満タンになることがあらかじめわかります。
タイマーをセットすれば、15分後に水を止めに来ればその間他のことをやっていても大丈夫です。
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中学数学 | 12:14:00 | コメント(0)
ローレンツの乱流モデル
ローレンツの乱流のモデルのもう少し詳しい説明が、『カオスとフラクタル』(山口昌哉、ちくま学芸文庫)に載ってたので、そこのところだけメモしておきます。
すでに簡単な説明は下のメモで上げているので、そちらを参照ください。
『非線形科学』メモ10      メモ11    メモ12

水を熱していくと上下の温度差による対流が生まれます。
ローレンツはこの流れを三つの変数を持つ連立常微分方程式で近似しました。
変数X, Y, Zはどれも時間の関数で、次の意味を持ちます。
「X(t)は対流の強さに比例する量である。したがってこれが0なら対流はおこらない。
Y(t)は対流で上下する二つの流れの温度差に比例する量である。これも0であれば対流がおこっていないことを意味する。
Z(t)は上下方向の温度分布の差がどの程度、空間的に線形関数から離れているかを示す量であり、これも0であれば対流はおこらないことを意味する。」
この三つの変数(未知関数)を用いて、ローレンツの乱流のモデルは下の三つの式で表現されます。
\begin{align} \left\{ \begin{array}{l} \frac{dX}{dt}=-δX+δY\\ \frac{dY}{dt}=-XZ+rX-Y\\ \frac{dZ}{dt}=XY-bZ\\ \end{array} \right. \end{align}
これらの式のδ、r、bはパラメータ(定数)で、具体的に考えるときには一定の値を与えて固定します。
δはプラントル数とよばれ、流体の拡散の係数と熱伝導係数との比で、この値が異なると流体の流れ全体が変わります。
rとbは容器の形や流体の性質に関係します。

ここでδ=10、b=8/3、r=28とおきます。
先に平衡点を求めるため、上記の値とdX/dt=0、dY/dt=0、dZ/dt=0を上記のモデルに代入すると、下の式になります。
\begin{align} \left\{ \begin{array}{l} -10X+10Y=0\\ 28X-Y-XZ=0\\ -\frac{8}{3}Z+XY=0 \end{array} \right. \end{align}

X、Y、Zがすべて0の点が一つの解で、これは対流が存在しない場合です。
次に二つの平衡点
\begin{align} C=(6\sqrt{2}, 6\sqrt{2}, 27)\\ C'=(-6\sqrt{2}, -6\sqrt{2}, 27)\\ \end{align}
も平衡点でこの平衡点では流れが生じているがそこから変化しない点のことです。
r=24.74以下のときは安定な平衡点で、CとC'に近づいたときにそのどちらかに収束します。
今はr=28とおいているので、CとC'に近づいてもある程度時間が経つとそこから離れていきます。

平衡点(0, 0, 0)より少しずれた(0, *, 0)から出発するとして、軌跡を考えてみます。
ここで*は正の小さい数です。
ローレンツモデルに代入すると、
\begin{align} \frac{dX}{dt}≒10*\\ \frac{dY}{dt}≒28X-*\\ \frac{dZ}{dt}≒0\\ \end{align}
です。
一番目の式からXは正で急に大きくなり、第二の式からYも正で大きくなります。
「これは対流の二つの温度差が大きくなり、冷たい部分は下に、熱い部分は上に入って入れかわることを意味する。」
しばらくして(X, Y)の値は平衡点C、C'を上回るので、そうすると「Yはどんどん減り、ついにXとYの符号が反対となる。」
「つまり熱い流体が下がり、冷たい流体が上がる。」
最終的にはCのまわりを不規則にまわりながらそのまわりから飛び出し、Yの符号が変化してC'のまわりに落ちる、ということをCとC'の間で繰り返します。

以上なんですが、dY/dt≒28X-*のところのXが0になってないのがよくわからないです。
とりあえず最初に平衡点そのものでない値を与えれば、最初の三つの式に従って、三変数の変化速度が変化するのでそれらの変数の値も変化して、いわゆるカオス的な遷移を示すということでしょう。
あと蔵本由紀の『非線形科学』では、rが一番重要で「流体の上面と下面の温度差に比例する量」と書いてあって、両方の本の記述を読めばわかるけど、片方だけではわからないこともけっこうありました。
やっぱり数冊は読まないと大まかな話もわからないですね。
<<非線形科学まとめ12


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非線形科学 | 13:41:07 | コメント(0)
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